テープスプライシング

2014_11_
Y.Utsunomia

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スプライシングテープはこのようにデッキの角に1mmくらい端を貼り付け、短冊状に切れ目を入れる。
スプライシングテープの巻きの淵は、どうしてもゴミが付着し、結果接合した部分にその部分が来ることを避けるため、新鮮な切り口が来るようにという配慮。
大量にスプライスすることも多いので、このようにすると無駄が出ない。

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マークを入れた部分(古くはダーマトグラフがよく使われていたが、油性ペンでマークの方が好成績・・) が重なるように左手・指4本で保持。

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持ち方、こんな具合。左利きの方は右手(ハサミを持つ手と反対の手で)

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切断は45度目標。両手の位置関係で、角度をできるだけ一定に保つ。垂直切断を避ければ、30~60度くらいなら実用上問題なし。
垂直の場合、波形の切断が鋭角になりスペクトルが拡散し「プチッ」ノイズの原因になる。
斜めに切断することで、高速のクロスフェードを行っているわけ。

追記

どれくらいの時間のクロスフェードになるのか、ちょっと計算してみた。
トラック幅を2mm(STUDER バタフライ・ヘッドの場合は2.7mm)、テープ速度を38cm/secとすると、5.26msec、
テープ全幅では16.5msec。(ただしL/Rチャンネル間で時差あり)
こりゃ下手なDAWは遠く及ばない精度。おかげでノイズ入らない!
DAWなどでの高速クロスフェード、10msecくらい。

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切るときは迷わずスッパリと。ちょっと写真ぶれた。

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接合は、テープ進行方向に「まっすぐ」になるように、スプライシングブロックを利用する。
このときに、「隙間無く」セットするが、わずかな隙間は可。逆に2枚の切片が重なるのは絶対に避ける。重なっていると、間違いなく走行中にはがれます。

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片側のみ段差のスプライシングブロックの場合、人差し指と中指で、手前に引きながら位置を合わせ、位置が合ったらスプライシングテープの切片を取り、写真のように上から押さえます。
ちゃんとしたスプライシングテープは「感圧テープ」(普通のテープは非感圧の粘着テープ)なので、正しい位置にスプライシングテープを置けたら、爪などの硬い部分でこすり、圧力をかけます。
圧力がかかると、正しい接着強度に達します。

接着がきちんと付いたかどうかは、接着面が半透明になることで確認できます。

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これは、スプライシングテープを置いて、指先で押しただけ。 きちんと付いていません。

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こちらはツメで擦り、きちんと接着されたもの。

接着できたら、はみ出た両端を切り落としますが、必ず録音テープ部分まで切り込み削ぐ必要があります。
とくにスプライシングテープの角4箇所はテープ幅よりも狭くなっていなければいけません
(もちろん接合部分も・・計6箇所)
削ぎこむ深さは、目標0.5mm・・ですが、1mm以上削ぎこんでも音に影響は無いので、安心して削ぎこみます。
削ぎこみが甘いと、走行中に必ず剥れます!